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『パンダと爆買い』第5章 韓国で感じた中国 観光産業と雇用の創出

第5章 韓国で感じた中国
      観光産業と雇用の創出

 韓国が中国人観光客を大変重要視しているのは、今まで述べたことからも
わかりますが、更にそれを感じさせる記事が、切り抜きを整理していたら出て
きました。
 2012年6月11日の東亜日報に、「中国人観光客が50万人増えれば、韓国
人2万人の雇用が新たに生まれる」という大きな見出しがありました。
50万人というのは、2011年と2012年を比べ、中国人観光客数が50万人増加
すると予測されていることからくる数字です。2万人というのは、ある機関が、
外国人観光客1000万人が訪れると、その4%にあたる40万の雇用が生まれ
ると推測しているのを根拠に出された数字です。
 記事には、中国人観光客が増えることによる雇用創出の利点がいくつか
挙げられています。ホテルが1つできれば、200人くらいの新たな雇用を創出
できる。同じ金額を投資した場合、IT産業や製造業と比べ、観光産業はより
多くの人を雇うことができる。また、観光産業は、他の職種と比べ、若い人の
就業比率が高いから、観光産業が盛んになると、若者の就職難改善にも
つながる、と書かれていました。日本でも、若い人の就職の難しさが問題に
なっていますが、韓国は日本以上に、若い人の就職が大変だと、住んでい
たとき感じましたから、これは本当に切実な問題です。
 中国人観光客増加により雇用が増える分野としては、免税店、百貨店、
ホテル、通訳業以外には、レジャー・スポーツ、医療・美容、展示・コンベン
ション分野が挙げられていました。この中では特に、医療・美容については、
韓国に住んでいたとき中国人の需要の多さを感じました。日本人も、韓国で
医療・美容観光をする人がいますが、中国人は、もっと多いです。医療事故
などのトラブルも発生していて、そういった関係の新聞記事も、見かけました。
 外国人観光客は、為替レート、政治的関係、自然災害など、様々な要因
によって数が急に減ったりします。ですので、外国人観光客が多い間はいい
けれど、安定した雇用をずっと続けられるかどうかは、確かではありません。
日本でも、外国人観光客が増えても、先を考え、慎重な対応をするケースが
少なくないと思います。それでも、中国人をはじめとした外国人観光客が、
日本や韓国を訪れるという流れが大きく後退することは、ないのではないか
と、韓国に暮らして、また日本に戻ってきて感じています。中国人も、東南
アジアの人たちも、それだけの経済力をつけてきている。情報も入手しやす
いし、LCCなどをうまく利用すれば、安く旅行できる。その魅力のほうが勝る
のではないかと信じたいです。
 観光産業が、日本でも韓国でも新たな雇用を創出し、うまく回ってくれたら
いいなと思います。当然トラブルも発生するけれど、人と人が直接交流する
ことは、お互いの理解を深めるためにもいいことですから。

*この文を書いたのが、1年前。文中で懸念していたことがその後起こり、
韓国では中国人が激減しました。ソウルに住んでいたころは、日本人より
中国人相手のほうが仕事になる、と、日本語ガイドも中国語の勉強、という
現象を見聞きしました。ところが今度は中国人が減り……この分野はいつ
何が起きるかわからないので、なかなか難しいですね。一部の国相手に
特化せず、複数に対応できるようにしておかなければいけないかも、と
最近感じています。
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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