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『パンダと爆買い』第4章 感情的距離 感情的距離を克服するには 続きの続き

第4章 感情的距離
      感情的距離を克服するには 続きの続き

 ひとつ前に書いた、90年代の尖閣諸島問題をめぐる感情の激しさも、きっと
そんな時期的なものと関係があったのでしょう。それ以降も領土問題は度々
起きますが、『亜洲週刊』での取り上げ方も、2000年代は90年代ほどの感情
的な激しさはなく、もっと冷静になりました。中国の経済発展、生活レベルの
向上で、物理的に対等になると、心にも余裕ができ、憎い相手からもよいと
ころはしっかり学ぼうという姿勢になり、感情にまかせた激しい日本批判は、
減っていくのだと思います。
 一方、日本で中国・韓国嫌いの悪口満載の傾向が増えたというのは、今ま
で経済面等あらゆる面で日本が中国や韓国より優位に立っていたのに、今
は対等になってしまい、場合によっては日本が遅れをとってしまっていると
いう現状を素直に認めたくない、負けたくないという気持ちの表れのように感
じます。
 80年代の留学のとき、私は経済的にも余裕のない留学生でしたが、駐在員
や企業からの派遣留学生は日常的にホテルや高級レストランで食事してい
る人も少なくありませんでした。駐在員の場合は、お抱え運転手付きも。もち
ろん、外国人が住むには不便だったし、治安の面もあるので、そうなっていた
のだとは思いますが、こういう生活が中国で当たり前になっていた日本人の
多くは、日本では普通の人です。普通の人が、経済格差のある国に赴任する
と、日本ではできない贅沢もできてしまう。決して努力してそういう生活ができ
るようになったわけではないのに、自分はすごい、特権階級だ、と勘違いして
しまう。中国や韓国との経済格差がなくなると、それを享受できなくなる。それ
が嫌なのも、中国や韓国が発展していくのを好ましく思わない、いつまでも
日本のほうが先をゆく国であってほしいと願う理由のひとつなのかな、と感じ
ます。経済格差がなくなり、対等につき合えるほうが気楽なのに、残念です。
 90年代の中国人の複雑な感情に似たものは、韓国でもあったでしょう。著名
な韓国人の学者で、学者とめぐる日本ツアーを行っている人がいます。京都、
奈良が中心のこのツアーは、高額にもかかわらず大人気で、すぐに満員に
なるそうです。この学者さんが、しみじみとこう語っていました。
  「今は韓国人も豊かになり、生活にも心にも余裕が出てきたから、日本の
 よさを素直に受け入れられる」
 中国人訪日客も、きっとそうだと思うのです。だから、日本を訪れるのはいい
ことなのです。
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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