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『パンダと爆買い』第2章 2度目の留学 貴重なビニール袋

第2章 2度目の留学
      貴重なビニール袋

 日々の生活というのは、地味で目立たないけれど、文化や歴史を見る上で
欠かせない視点です。私は中国人家庭で育ったのではないし、1985年秋
から一年間暮らしたといっても、一留学生としての体験にすぎません。
中国の奥深いところまでは、見えていなかったかもしれない。それでも、当時
の留学生活から見えてくる中国というものがあります。それと今を比べると、
中国が如何に変わったかがわかります。
 「食」という面から当時を振り返ってみましょう。といっても、グルメの話では
ないですが。
 食事は、留学生食堂でしていました。が、油っこいし、メニューも多様では
ないので、食堂で食べ続けるのがしんどくなりました。夢におひたしが出て
きてしまうほど、あっさりしたものに飢えていました。
 自炊したい! でも留学生寮には、キッチンがありません。そこで、電気
コンロや調理器具を買ってきて、自炊を始めました。流し台は部屋にありま
せんから、共同の洗面所で。不便だったけれど、和食が食べられるのなら
何でもありませんでした。
 食材は、近所に日本のスーパーのようなものなんてありませんから、
大学近くの市場で調達。市場では、ほしい野菜が、一年中売っているわけ
ではありません。最初は困ったけれど、じきに、あるもので作るしかないと
割り切るようになりました。今、買い物に行けないとき、冷蔵庫にあるもので
何とかメニューを考えて料理するのが苦にならないのも、あのころ鍛えられ
たおかげです。
 市場の野菜は大きさも不揃いで、曲がっていて、見た目は不細工。でも、
味はとてもよかったのです。幼いころ食べたトマトやナスの味でした。日本
では、もうこういう太陽の恵みをたっぷり受けてできた野菜ってないなあ、
なつかしいなあと思いながら食べました。今思うと、誰かの歓送迎会で
食べた料理や、年配の人にごちそうになった高級料理よりも、美味で印象
に残るものでした。
 留学からだいぶ経ち、久しぶりに訪中したとき、スーパーに並ぶ形のいい
野菜を見、中国の野菜も日本のように味が落ちてしまうのかな、とちょっと
さびしさを覚えました。経済が発達する、暮らしがよくなるとは、こういうこと
なのか、と。
 市場での買い物で、最初不便だったのが、袋に入れてくれないことでした。
卵もケースに入っていないので、割れてしまいそうで。しかたないので、卵用
のケースを準備して行きました。もやしのように、手さげ袋に他のものと一緒
に入れられないようなものも、袋入りで売っていません。ビニール袋に入れ
てほしいと頼んだら、ずいぶん高い袋代を要求されました。
 ビニール袋、本当に貴重だったのですね。そんな感じだったので、日本から
持って行ったビニール袋が宝物のようで、何度も洗って繰り返し使いました。
今でもビニール袋をついためてしまうのは、留学時の経験というかトラウマに
よるものです。おそらく日本では、私の親世代くらいの人の習慣でしょう。

今回はここまで。続きはまた次に!(^^)!

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Comment

 ビニール袋 

 〇「今でもビニール袋をついためてしまうのは」
 わかります。私も、スーパーのレジ袋を、なかなか捨てられません。
 1990年代の初めに韓国に行ったときには、屋台などで黒いビニール袋に入れてもらいましたが、その袋はかなり薄く、少し思いものだと、破れそうでした。また、マッコルリのプラスチックの栓も、スクリュー栓ではなく、ラムネの蓋のように、上から入れてあるだけなので、リックサックに入れて旅館に帰ると、こぼれてリックの内側がべとべとになっていました。なつかしか~。
  • posted by shunshun 
  • URL 
  • 2017.06/22 23:01分 
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Re:  ビニール袋 

ラムネの蓋のような! それは、見たことがありません。漏れたら、かなりベトベトになりそうですね(^_^;)
黒いビニール袋は、すごく薄くはなかったですが、私が韓国に住んでいたときも、市場や、トラックで野菜や果物を売りに来る所では、使われていました。一度そういう所で、黒いビニール袋入りのチャメを買ったところ、上の見える部分だけおいしそうなのを入れ、下には小さなのばかり入っていたことがあります。黒色で中身がよく見えないのに、まんまとひっかかりました。
  • posted by はこ 
  • URL 
  • 2017.06/23 17:16分 
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まんまとひっかかりました。 

私も、1990年代の中頃、韓国の屋台で、紙コップ入りのぎんなんが、山盛りで安く売っていました。「安い!」と思って買って、紙袋に入れてもらい、旅館に帰り、缶ビールを開けて一飲みした後に、袋を開けたら、屋台で見た量よりかなり少なかったのです。たしかに、山盛りの紙コップをそのまま紙袋に入れたはずなのに、と思い不思議でした。でも、よく考えると、その紙コップ自体が、上げ底になっていたのではと気がつきました。やられた~、と思いました。
  • posted by shunshun 
  • URL 
  • 2017.06/23 22:03分 
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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