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『パンダと爆買い』第1章 中国との出会い ―おまけー 男の手料理

第1章 中国との出会い
      ―おまけ― 男の手料理

*各章最後には、「おまけ」をつけています。

 80年代の中国留学は、いろいろな面で私の価値観に影響を与えました。
中でも大きかったのが、料理をする男性の姿です。
 中国で家庭に招かれると、心を込めたおいしい手料理が待っていてくれ
ます。その作り手が、男性のことが多く、驚きました。女性ももちろん作ります
が、「うちはだんなさんのほうが、料理上手なのよ」と、奥さんは接客係の
ことも。
 日本で高校に通っていたとき、男子生徒の中には、「女の子は勉強がそん
なにできないほうがいい」「勉強ができる女子は、かわいくない」と言う人が
いました。大学に進学しても社会人になっても、「女の子は料理ができれば
いいんだ」「結婚して、奥さんと共働きなんて、オレのプライドが許さない」
などと聞かされ、がっかり。私の父は料理、針仕事など家の中のことが一通
りできる人で、女に学問は要らない、という人でもなかったので、学校など外
で封建的な発言を当たり前のようにする男子がいることに、最初はとても
驚きました。が、何度も似たような話を耳にし、そんなものなんだと思うように
なりました。
 ところが中国では、男性が当たり前のように料理をするし、女性も当たり前
のように外で働きます。子育ても、そう。留学していた学校のある男の先生は、
幼い子どもの送り迎えは私の仕事、とにこにこしながら話してくれました。
教員宿舎が学校の敷地内にあり、教室と自宅が近いので、遠くの職場に通う
奥さんよりも私のほうが融通がきくから、と。男か女かよりも、時間のあるほう
が、より得意なほうができることをするんだ、と何人もの人から言われました。
以前と比べると、今は日本もずいぶん変わりましたが、それでも80年代に
中国で受けた衝撃は、今でも忘れられません。
 家族の転勤で2011年から3年間暮らした韓国では、昔の日本に引き戻され
たような感覚でした。家族の仕事で住んだという立場も関係あるとは思います
が、奥さんとしてどうかという視点から見られがちで、大変窮屈に感じました。
国際的な調査で、男女平等や女性の社会進出といった項目が入ると、日本
と韓国は常にビリ争い。日本でも韓国でも、暮らしていて私が居心地悪いなあ
と感じているものが、そのままそういった調査結果に表れているようでした。
 それでも、韓国もそういった面で変わりつつあり、韓国の新聞でもお父さん
の料理教室といった記事を目にしました。韓国の書店でも、男の手料理と
いった路線の料理本が売られています。韓国に住み始めたとき、日本でよく
買っていた小松菜などの葉物野菜が見つからず、せっかくなので日本で見た
ことのない様々な葉物野菜を調理したり、家でも作れそうな韓国料理に挑戦
してみようと思い立ちました。調理法を知るため、書店で料理本を買うとき、
料理研究家の本は高レベルなので除外し、「お父さんの……」「だんなさんの
……」といった男の手料理的な本を探しました。おかげで、韓国ならではの
おいしい食材を使って自分でも料理することができました。レシピを読むのは
韓国語の勉強にもなり、一石二鳥でした。

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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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