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ぎくしゃくした日韓関係 改善のために大事なことは……

2013年6月18日朝日新聞夕刊の「時事小言」、国際政治学者・藤原帰一氏の
「翻訳文化の時代が過ぎて 日本語への引きこもり」。
ぎくしゃくした日韓関係について考える上で、非常に示唆に富む文章でした。
全文紹介するのにはとても長いので、自分が大事だと思ったところを
取り上げながら、それをもとに、日韓関係について考えていきたいと思います。
青色の文は、本文からの引用です。

筆者によると、

<翻訳文化の時代>
西欧と肩を並べる国家形成のための、科学技術、政治制度など外国文化の吸収
ーー知識人は西欧の言語を通して、
  外国語がわからない国民は、翻訳を通して。

<原語によるコミュニケーションの時代>
翻訳を通さず、原語を通して外国に学んだり、原語で外国の人々と議論し一緒に
仕事をする時代。

のように、本来なら、翻訳文化の時代の次は、原語によるコミュニケーションの
時代が来るはずで、翻訳文化の段階は、その状態に変わる前の過渡的な現象に
すぎない。
ところが、日本ではそうならず、翻訳文化の次に訪れたのは、
「原語を通し国境を超えて議論を行う空間ではなく、日本語を読み、日本語で
考え、翻訳された文章さえもあまり読まない空間だった」。


まさにその通りだと思います。
でも、仕事で外国語を使う人はむしろ昔より増えているはずだし、外国語の
論文を読むことなく、自然科学者は仕事ができない、
と、決して今「外国語離れ」と言い切ることもできないと。
それでも、筆者が、日本人が日本語の世界に引きこもっている、と見るのは、
「政治や社会を考えるときに日本語で書かれたもの、それも翻訳ではない
日本語の文章を読み、ほかの言語で書かれたものを読まずに考える人々が
異様に膨れあがったのは事実だろう。第2次世界大戦中のように政府に
よって強制されるからではなく、日本語の外に広がる意味空間を、自分の
選択によって排除するのである」

という日本の現状から。そして、
「(日本は)経済成長も達成し国内だけで大きな市場を持つのだから外国に目を
向けなくても生きていける。英語を使わなくても豊かな生活を保持できるのは
幸福だと言うこともできるだろう。しかしその幸福は、ものを知り、考え、
議論する空間が日本語の世界に縛られるという犠牲と引き換えに得られたもの
だった」

と指摘しています。


今、ヘイトスピーチや激しい嫌韓、政治家の極端な言動などが問題に
なっています。愛国心をくすぐるような小説が売れる傾向にあります。
なぜか?私は、藤原氏が指摘している、翻訳すら通さない、日本人が
日本語で発信したものばかり読む人が増えたことと、大いに関係が
あると思います。

韓国では、日本よりずっと、外国の書物が読まれている。
英語はもちろん、日本の書物もとても多い。訳本も原書も両方あります。
先日、韓国人とこの話題になったとき、言われました。
「日本人は、英語の書物はまだ読んでいるとして、中国や韓国の本は
読まないでしょう?読んでも役に立たない、と下に見ているから」


それでも、今少しずつ、韓国の本を読む日本人は、増えてきています。
最近は、韓国の本をもっとたくさん翻訳して日本に広めよう、という動きも
出てきました。今まで、訳本すらあまりなかったのですから、大前進です。
でも、私は、原書で読む人が増えてほしい。
この翻訳本を増やす動きも、「日本人に受けそうな本」を選んで訳す、と
紹介記事に書いてありました。ここなんですよね、翻訳本の問題は。
日本で受けなくても、いい本はたくさんあります。
訳本に頼ると、そういういい本と出会えなくなってしまう。
自分で直接情報をつかみ、原書を買って読むことが大事だと思います。
そして、原書を日常的に読む人が増えれば、「思考が日本語の世界に縛られる」
ことから解放されていく。実際私も、韓国紙や韓国の本を読むようになって
から、韓国に対する考えや感情が変わりました。
中国語を勉強していたときも原書をたくさん読んだのですが、やはりそうでした。

遠い道のりかもしれないけれど、韓国語で直接本を読み、コミュニケーションを
とる日本人が増えることが、ぎくしゃくした日韓関係の改善の、
大きな力になると信じています。

写真は、私の本棚の一部です。
みなさんが持っている本も、あるかもしれませんね^^

2013年6月22日 本棚










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Comment

 

韓国語は、ぱっと本音がわかります。日本語は、遠回しが多いです。
  • posted by ぱんだパパもん 
  • URL 
  • 2013.06/26 17:38分 
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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