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ソウル 開催中の展覧会 国立現代美術館 柳宗悦展

今、徳寿宮にある국립현대미술관(国立現代美術館)で、
야나기 무네요시전(柳宗悦展)が、開かれています。
(写真は、現代美術館2階から撮ったもの)

2013年6月2日 柳宗悦展

展覧会では、東京の日本民藝館の所蔵品2万余点の中から、
139点を選び、展示しています。
日本民藝館は、「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す
民藝運動の本拠として、思想家の柳宗悦(1889~1961)により企画され、
多くの賛同者の援助を得、1936年に開設されました(日本民藝館のパンフより)。
「民藝」という言葉は、大昔からあったのではなく、柳がつくりだした言葉。
普通の生活で使われる、市場で売られている器など、いわば「安物」の品の
美しさに魅かれた柳。そういった物を指す名称が、当時「下手物」という言葉
しかなく、もっと適当な言葉はないだろうか、と考え出したのが、「民藝」です。
(本展覧会では、このことの説明も書かれていました。)
昨年上映された「白磁の人」にもありましたが、柳宗悦が朝鮮美術に関心をもつ
きっかけとなったのは、浅川巧(2013年5月20日の記事で紹介)から
朝鮮白磁をもらったことでした。
最初、西洋の美術に関心のあった柳は、東洋の美にのめり込んでいきます。

朝鮮美術の美の普及において、大きな存在だった柳宗悦。
が、韓国では、そういった「正」の面と、「負」の面両方から
みられています。
柳をはじめ、日本の学者の、朝鮮の美を「비애(悲哀)の美」とする解釈に対し、
韓国では、70年代以降、批判が相次ぎました。
今回の展示では、「悲哀」についての説明がないのですが、そのことについて、
先日(2013年5月28日)の朝鮮日報では、激しく批判しています。

「ただ日本民藝館の所蔵品を並べただけ」
「朝鮮の美=悲哀の美と決めつけた事実の説明を省いた。
これは、美術館の大いなる責任放棄だ」

感情にまかせて書いたような記事を読み、正直、「あーあ、またか」とがっかり。
説明でこういうことを書き、教え込むのでは、いつまでたっても、
見る人が作品から何かを自由に感じたり考えたり、できないんじゃないの?
……なんて考えていたら、「悲哀」への言及がこの展覧会でないことについて、
他紙には、美術館関係者の言葉が紹介されていました。

「今回の展示は、柳についての評価ではなく、彼の生き方と理論の形成過程を、
ありのまま見せるのが目的」(2013年5月28日東亜日報)

「評価は、見に来るお客さんに任せる、ということ」
(2013年5月30日ハンギョレ)

こういった文面を読んで、救われる思いでした。


さて、私が行ったのは、昨日日曜日だったのですが、休日にもかかわらず、
お客さんは大していませんでした。
関心のある人が少ないのか、「悲哀の美」への抵抗があるのか……
昨秋、同じ美術館で「大韓帝国皇室の肖像」展が開かれたときの混み具合とは、
えらい違いです。
でも、来ている人は、みんな熱心に展示を見ていました。
中には、メモを一生懸命とっている若い女性も。
そして、わいわいがやがや、グループで来る人が、韓国の展覧会では多いのに、
今回は、一人で来ているお客さんが多かったです。
数は多くなくても、関心のある人に見てもらい、何かを感じてもらいたいな、
と思いました。


展覧会は、2013年7月21日(日)まで。月曜休館。

正直、日本民藝館に行った方が、ずっと面白いです。
でも、韓国でどう展示されているか、お客さんの反応はどんなふうかを
知るのには、とてもいい機会だと思います。



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Comment

 

ぱんだのぬいぐるみも、いつか「民藝」として評価されるかな?
  • posted by ぱんだパパもん 
  • URL 
  • 2013.06/04 19:28分 
  • [Edit]
  • [Res]

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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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