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テソロ2015年3月号 印象に残る言葉 続き

前回の続きです。

テソロ3月号・小説家キム・ヨンス氏のインタビュー記事で印象に残った言葉は、
前回書いた話の次のところにありました。

―つまり詩や小説を通じて、日本の人々に韓国社
会のより深い部分を理解してもらえるとお考えなの
でしょうか。

という記者の質問に対する答えの部分です。
まず、「韓国語に翻訳された日本の小説を通じて、韓国の人々は日本人の人生観、
恋愛観、死生観などに接する機会があります。……」と述べ、次にこのように話して
います。

 私の本が日本で翻訳出版された際に、日本で
インタビューを受けたのですが、日本の記者は独
島(竹島)問題、反日感情、韓日首脳会談が行
われない理由など政治的な質問ばかりしてきまし
た。驚きました。韓国社会や韓国の文学について
は興味がないのか、そういった質問はほとんどあ
りませんでした。……

まさにここに、日本メディアの韓国報道の問題点があるのだと思います。
日本の韓国関連ニュース、こういう話題に偏りすぎです。
日本の報道に頼らず、自分でニュースを入手できる人はいい。
でも、日本の報道を通じて韓国関連のニュースを得るしかない多くの人は、
日本メディアが報じた韓国しか、イメージがわかなくなってしまうのです。
結果、距離は近いけど行ったこともない隣国の印象は、「こわい」ものになって
しまう。

大手マスコミは組織上、こういう方面にニュースが偏りがちなのはやむを得ない面
もあるでしょう。もっと他の側面を報道したいのに、組織の中ではなかなかできない、
というジレンマを抱えている記者も、いると思います。
でも……韓国報道に携わるプロの人たちが、ふだんどれくらい韓国の小説や
エッセイなどの文学作品に(たとえ翻訳本だとしても)目を通しているのかな?
という疑問、私はどうしても持ってしまう。
もし文学作品に触れていたなら、キム・ヨンス氏が日本で受けたインタビューで、
もっと別な分野の質問が出ただろうと思うからです。
まあ、忙しい中小説を原文で読めというのも、酷かもしれないけど、でも私は、
ある国に関係する仕事に関わる以上、しかもその仕事で報じたことが普通の人々
に大きな影響を与える以上、やはり心掛けてほしいと思います。
こういう話を関係者にすると、決まって「いやでも、韓国人だって(同じだよ)……」
と、悪いのはこっちだけじゃないという感じで反論されるけど、私が見る限りでは、
韓国では、記者でなくとも、日本の小説やエッセイは訳本にしても1、2冊は読んで
るし、もし読んだことがない人がいるとしても、せめて作家の名前くらいはみな知って
います。
私も、韓国に引っ越して初めて、韓国の小説家の名前を知り、本も読みました。
それまでは、一人も知らなかったのです。よく考えたら、これは恥ずかしいことです。
韓国では、せめて村上春樹の名前くらいはみな知っている。
ここに、日韓の大きなギャップがあると、自身の体験からも痛感します。

なあんていろいろ言いたいことを書いておきながら、キム・ヨンス氏の名前は知って
いたものの、小説はまだ読んだことがないので、これもこれからぜひ、と思います。
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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