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昔の朝鮮半島の中国語教科書『老乞大』

今月7日、『東アジア海域と高麗青磁Ⅰ』という公開講座に行ってきました。
(講座案内のチラシは、たしか高麗美術館かどこかに置いてあったと思います)。
日中韓の専門家の講座に無料で参加できる!というありがたいものでした。
参加者は詳しそうな人ばかりで、ただ好きで興味あるという程度の私がいるのは、
ちょっと場違いな感じがしないでもなかったですが、興味深い話がたくさん聞けた
ので、出席して本当によかったです。

ここで高麗青磁について書ければいいのですが、まだまだ勉強不足で、残念ながら
今はちょっと難しい。
もっといろいろわかってからにしたいと思います。今後の課題ですね。
でも、高麗青磁が日中韓の交流史を知る上でのキーワードだ、ということだけは
講座を受けて感じました。

講座では、高麗青磁そのものはもちろんですが、面白そうだからもっと知りたい!
と思ったことがありました。
それは、昔の朝鮮半島の中国語教科書『老乞大』(노걸대 ノゴデ)。
中国人研究者が、高麗青磁が中国に広まった背景について話していた中で
出てきました。
元代の北方と高麗の貿易の経路が、この本を通してわかるのだそうです。

気になって調べてみました。
中国語と韓国語のウィキペディアに書かれていた内容をもとに、『老乞大』について
紹介します。
『老乞大』が成立したのは、おそらく高麗末だろうと思われていますが、
書名が文献に現れるのは朝鮮時代。
高麗の商人3人が、馬、高麗人参といった特産品を売りに北京に行き、
北京で商品を仕入れ戻っていく様を書いています。
宿に泊まるときに必要な会話や、高麗人参の売り方などが紹介されていて、
実用的、会話的内容となっています。
韓国の時代劇を見ていると、中国人と韓国人が話す場面が出てきますよね。
韓国ドラマですから、韓国語で会話していますが、実際はどうだったんだろう?
と、いつも不思議でした。本当は、中国語で会話していたのでしょうか?
いずれにしても、相手の国の言葉を学ぶということは、昔から必要だったわけ
ですから、こういう教科書の存在というのは当然といえば当然なのですが、
本当に面白いなあと思います。
そうそう、日本にもありますよ、昔の外国語教科書。
いつかそんな話もまたしたいと思います。

『老乞大』は、高麗商人が道中中国人の商人と道連れになるという設定です。
冒頭の会話文をちょっと載せます。

大哥,你从那里来:형씨는 어디서 오셨소?
我从高丽王京来:나는 고려 왕경에서 왔소.
如今那里去:이제 어디로 가시려고 하오?
我往北京去:난 북경으로 갈 거요.
你几时离了王京:당신은 언제쯤 왕경을 떠나오셨소?
我这月初日离了王京:나는 지난 달 초에 왕경을 떠나왔소.
……

中国語、本当は繁体字なんですが、うまく入力できなくて……
意味は、大体こんな感じです。
そこのお兄さん、どこから来たのかね?
ああ、高麗の王京から来たんだ。
そうか。で、これからどこへ?
北京に行くんだよ。
北京か。ところで、王京を発ったのはいつかね?
今月の一日さ。
……
かなり適当ないいかげんな訳ですので、意味の確認程度にしてくださいね(^_^;)

『老乞大』はいくつも版を重ねていて、これはそのひとつに出てきた会話文です。
高麗商人は複数いるのですが、この会話文ではなぜか一対一の会話のように
なっています。
今回、中国語と韓国語のネット資料を参考にしましたが、日本でもいろいろ研究
されているようで、関連サイトがたくさん出てきました。翻訳本もあるようです。
『老乞大』を元に昔の人称研究をしているものもありました。
上記の会話文より古い版のものは、人称その他も、もっと古めかしい言葉が
使われています。

こういった昔の教科書は、昔の言葉の文法や語彙など、いろいろな特徴がわかる
ので楽しいですね。そして、昔の人の交流の様子が垣間見えるのもうれしいです。
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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