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ナッツリターンと韓国の伝統的な仮面

以前ナッツリターンについてのブログ記事で、事件以降韓国ではマカダミアナッツの
売り上げが急激に伸びたと書きました。
財閥令嬢の超ワガママな行為に憤りを覚えながらも、庶民の力では変えることが
できない。だから、せめてお酒を飲んでナッツを噛み砕いて……
と私は、決して安くはないマカダミアナッツが売れた理由を、勝手に想像していたの
ですが、このことから思い浮かんだ韓国の伝統文化があります。

それは、韓国の伝統的な仮面です。
韓国の仮面を見た最初のころは、ただただ面白いなあと思っていただけでしたが、
ある博物館の展示説明で、仮面劇は両班を皮肉っていると知り、韓国の庶民は、
そうすることによって、支配階級への不満や怒りを笑いにさえ変え、たくましく
生きてきたのだなあと感じました。
ナッツ事件で、そのことを思い出しました。
ということで、伝統仮面に関する2013年7月29日東亜日報の記事をもとに、
今日は書きたいと思います。

記事によると、韓国の仮面は、鼻先を境に、上と下で違う表情をしていることが
少なくないのだそうです。
例えば、말뚝이(マトゥギ 両班に仕える하인=下人)という仮面(下の写真)。
目は怒っているのに、口は笑っています。
感情によって使われる顔の筋肉はそれぞれ異なるので、これは医学的には
不可能な表情なのだそうです。

2015年3月6日撮影 2013年7月29日東亜日報 マルトゥギ

国立民俗博物館の学術誌『民族学研究』に掲載されたある民俗学博士の論文・
「仮面に表れる非解剖学的構造についての考察」によると、この上下で異なる
感情を表す仮面は、神霊的「巫」と世俗的「俗」の融合の表れなのだとか。
仮面劇が庶民の中で作られていったため、厳密な事実に基づいたり崇高な
宗教的観念に縛られることがなく、それでより巫俗的な影響を受けやすかった
のではないか、と、このような人間であって人間でない独特な表情の仮面が
生まれた背景について、論文では述べています。

この現実には不可能な仮面の表情は、階級意識の反映でもあります。
例えば、支配階級である両班(ヤンバン)の仮面は、鼻が異様に小さい。
それに対し、下人(ハイン)の鼻は大きい。
これは、男性性を象徴する鼻の大きさから、支配階級を揶揄しているのだそうです。
また、顔が赤と白で塗られた両班の仮面は、両班の이중성(二重性)を表して
おり、こうすることによって両班を皮肉っているのです。
二重性は、二重人格でしょうか? とにかく表と裏があるということでしょうね。

2015年3月6日撮影 2013年7月29日東亜日報 紅白両班

安東を訪れたとき、仮面を展示している博物館に行ったのですが、狭い国土に
実に様々な仮面があることを知りました。
地方ごとの仮面についてもっと深く知れば、韓国がもっとわかって面白い
でしょうね。
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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