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ソウル 仁寺洞(インサドン) 古美術店の減少

先週、韓国のオークションで人気のある絵画が、韓国的色彩の濃い作家の作品から、
よりグローバルな要素の入った作品へと変化していることについて書きました。
このブログ記事をアップしたあと、韓国滞在中切り抜いた美術関係の新聞記事の
ファイルを見ていたら、仁寺洞の古美術店減少についての切り抜きを発見。
2013年11月7日の毎日経済新聞に載っていた記事です。
前回の内容とも関連があるので、今日はこの記事について紹介します。

記事にはまず、仁寺洞の顔ともいえるある画廊のオーナーの話が出ていました。
「常連客はもうこの世を去り、若い人は古美術品を買わない。
肝心の品物は、お金持ちの家に入ったまま市場には出てこない」。
そして、「もう何ヵ月もの間、ひとつも売れていない。まったく商売あがったりだよ」と。
なんだか、オーナーの溜息が聞こえてくるようです。

王宮にも近い仁寺洞は、朝鮮王朝末期から100年もの間、古美術のメッカでした。
記事によると、1980~90年代、仁寺洞の古美術店は150軒くらいはあったそう
です。
ところが今(記事が出た当時)は、古美術専門店は10軒ほど。
「古美術店」との看板を掲げていても、中に入るとmade in Chinaのコピー商品や、
国籍不明のアクセサリー、そして(旅行)記念品が、骨董品と一緒に混ざって
売られている状態です。

記事のこの部分を読んで、思わず苦笑してしまいました。
私が韓国に住んでいたときの仁寺洞のお店は、まさにこういう状態だったから
です。
私の初めての訪韓は、2004年でした。
このときはまだ、古美術店はもっとあったし、古美術「もどき」ではあっても、
割合まともな陶磁器や各種工芸品が売られていました。
当時は、韓国に行くと、仁寺洞に寄るのが大きな楽しみでしたし、友人知人、
そして自分のためのお土産は、仁寺洞で買っていたものです。
ところが、2011年春から韓国に住んでいた3年間は、仁寺洞に行くことは行った
けれど、チャチなものが増えてしまい、「ここならまだいいほうかな」と
目をつけたお店以外は、寄ることすらなくなってしまいました。
韓国に何年も通っている人は、きっと同じような体験をされたと思います。

記事には、古美術品の売買が衰えた理由が出ていました。
ひとつには、企業の「비자금」(秘資金)捜査、税務調査、そして譲渡税賦課などと
関係があるようだ、と。(「秘資金」は、日本語で言うと裏金でしょうか?)。
それに、古美術界の内紛や偽作問題も加わっているそうです。
私はこの辺には明るくないので、きちんとした補足説明が加えられないのですが、
美術品が、本来の「美しい」作品として愛でてもらえるのでなく、汚いこと(だけでは
ないのでしょうが)への手段として使われていた、だけどいろいろややこしい問題が
生じてきて、やっかいだからあまり扱われなくなったということなんでしょうか?
また、若いコレクターの好みが、伝統美術よりも海外の美術に移っていることも
関係あるようです。
これは、韓国で画廊に入ったとき、海外の作品が展示販売されているのをよく
目にしたので、私も実感があります。

私は、日本の美術にしても韓国の美術にしても、どちらかというと伝統的なものが
好きなのですが、これは人それぞれの好みでもあるし、時代は変化するのだし、
古美術店の衰退は、やむを得ない部分もあるでしょう。残念ではありますが。
ただ、質の悪い商品が溢れてしまうような状態は避けなければなあと思います。

写真は、記事の一部です。

2015年2月24日撮影 2013年11月7日毎日経済 仁寺洞減る古美術店
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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