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教室の外に出よう

ノーベル物理学賞、日本人3人の受賞。本当に喜ばしいですね。
物理というと、ちょっとかたく難しい、一般人とは距離のある学問というイメージ
ですが、今回は、LEDという私たちの生活にも身近なものでの受賞ですから、
より親近感が湧きます。

受賞関連のニュース、いろいろ面白い話がありますが、特に印象に残ったのが、
中村教授の恩師である多田修・徳島大名誉教授に関してです。
中村さんに対し、「難しい本を読む時間があったら手を使って物を作れ」と、実験の
大切さを説いていたと。理論好きの中村さんが、先生の教えの大切さに気付いた
のは会社に入社してから。論文を読み、実験を通して製品づくりにつなげることの
大切さ。恩師の言うことは合っていたと。
きっと理論だけやっていたら、製品づくりにはつながらなかったでしょうね。
とてもうなずける話です。

これって、物理以外の分野にも当てはまる話だと思います。
外国語学習も、そう。
今日は、現地での語学学習―語学留学に限定して、ちょっとそんな話をしたいと
思います。

語学留学で理論、実験に当てはまるのは何か。
いろんな考え方があると思うけど、一つの見方としては、教室での学習つまり
授業と授業の予習復習、宿題、試験勉強を「理論」と見なし、「実験」がそれ以外の
活動。例えば、(授業以外に接触する)友だちと話す、出かける、買い物する、
映画を見るなどなど。
簡単に、「内」で勉強するか、「外」で勉強するかに分けるとしましょう。
「内」でも、新聞を読んだりテレビを見たり原書を読んだりするのは、室内で行っても
「実践」的なものですが、それは「加工」教材か「生」かという分け方で見た方がいい
かもしれないので、今回この観点から見るのは除外します。

私が3年間ソウルにいたのは家族の仕事の関係であり語学留学ではありません
でしたが、延世大語学堂に9ヶ月通っていたし、ソウル滞在が語学学習的な要素は
ありました。また、若いころ中国に1年語学留学していたので、留学経験はあります。
そういった自分の経験をもとに、また、周囲の留学生を見てそれをもとに思うのは、
「内」「外」バランスよく勉強できるのがベストということです。

「内」タイプの学生は、エリート。偏差値が高く、試験勉強に強く留学先での成績も
いい人が多い傾向にあると思います。
「外」タイプの学生は、エリートコースではないし、留学先での試験の点数は決して
高くないけど、友達と積極的に付き合い、会話がとても上手。
(あくまでも私個人が見た傾向ですし、性格その他の要素も関わるので、エリート
でも「外」タイプの人はいるし、みながみな当てはまるわけではありません)

「内」タイプの留学先での過ごし方の傾向は、個人レッスンを含め、とにかくたくさん
授業を受ける。教室や自室などで、遅くまで勉強。
その結果、試験はよくできるし、教室での先生やクラスメートとの会話はよくできる
けど、外に出ると使えない。「運用能力」が、学校の成績に比べ、低いんですよね。
日本で勉強するのなら、いい授業を受けるのは大いに効果あるけど、せっかく
現地にいるのに、あまりにももったいないと思います。
中国、韓国での自分の経験では、語学留学の場合、学校の授業は午前のみ。
午後は、一部選択科目があるくらいです。
でも、このタイプの学生は、その空いている午後の時間を、他の塾に行ってまた
「学習」するんですよね。
留学期間がとても短いとか、限られた条件下でかなり上のクラスにいかなければ
いけないなら、それもやむを得ないかもしれません。
が、たとえそうでも、私はせっかく現地にいるのなら、授業は午前または午後
だけにして、半日は外に出るべきだと思います。
「内」という守られた空間ばかりで勉強していると、いざ通訳を頼まれたときとか、
それが非公式であっても、引き受ける勇気が出ません。

反対に、「外」タイプの学生は、会話がうまい、つまり運用能力が高く、ネイティブに
間違われそうなくらい上手です。
が、教室での勉強を地道にしていないと、作文がきちんと書けないとか、
敬語が正しく使えないという問題が生じる。
ですから、せっかく上手でも、仕事として成り立ちにくい場合があるんですよね。
ビジネス文書がきちんと書けないというように……それは、外国語以前に、
日本語能力の問題でもあるのですけどね。
私は「内」タイプほど偏差値が高くなく受験勉強も強くないし、「外」タイプほど
ネイティブっぽくしゃべれないので、どちらもうらやましい部分があるのですが……

次回は、「外」に出ることがなぜ大事なのかを、書きたいと思います。
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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