Entries

有田 伊万里で考えたこと

1泊2日という慌ただしい日程でしたが、有田 伊万里では、いろいろ考えました。
陶磁器の歴史のこと、朝鮮人陶工のこと、焼き物の里の日韓の違い……
若いころから、陶磁器は好きでしたが、今回の旅で、ますます魅かれ、
もっと陶磁器の歴史について知りたい、と思うようになりました。
今の段階で感じていることやわかったことを、今日は書きたいと思います。

日本の特に九州の陶磁器発展は、朝鮮人陶工あって、ということ、実は若いころ
知りませんでした。高麗青磁や朝鮮白磁は学生時代から好きだったので、
韓国の陶磁器のすばらしさは知っていたのですが、日本のものと結びつかなかった
です。むしろ、中国からの影響ということを大きく感じていて、有田伊万里の陶磁器
も、中国のものがベースになっているとしか考えていませんでした。
文禄・慶長の役の際連れ帰られた陶工の存在を知ったのは、日韓の歴史に関心を
もつようになってからです。

今回、私が「中国由来」と感じていた理由がわかりました。
有田町歴史民俗資料館東館・有田焼参考館を訪れたとき、パネル説明の
展示内容が面白く、同じようなことをまとめた資料の有無を尋ねたところ、
展示ガイドブックがあるということで購入。
そこに、興味深いことがいろいろ載っていましたので、資料を元に書きたいと
思います。

日本で磁器生産の基盤が確立する前から、日本国内での磁器使用はあり、
そのほとんどが中国製品でした。そのため、有田で誕生する磁器も、
中国風を目指したのだそうです。
朝鮮半島の磁器は白磁が基本、中国は青花と呼ばれる染付が基本。
ところが、磁器の生産現場は、朝鮮半島の技術。当時の日本磁器は、
「朝鮮半島の技術で生産された中国風磁器」とも言える、と書かれています。
ただこの後、日本独特の磁器ができたのには、日本国内の文化や慣習などが
大きく関わっているとのことです。
今現在の磁器だけ見ても、この変遷というのはわからないな、出土した実物や
説明を読みながら勉強することが必要、と思いました。

もうひとつ、中国風と感じる理由は、江戸時代の海外輸出と関係しているでしょう。
当時ヨーロッパの憧れであった磁器は、中国磁器景徳鎮。
それが、1644年の明朝の滅亡により、中国磁器の「代替品」が必要となり、
選ばれたのが有田伊万里の磁器だったんですね。
約1世紀の間海外輸出されていた磁器の種類は、徐々に変化していくので、
一貫して中国風のものが作られたのではないですが、なにしろ最初は中国製品の
代わりを求められたわけですから、どうしても中国風になりますよね。
こういった歴史については、大阪市立東洋陶磁美術館で開催中の特別展「伊万里」
(11月30日まで)でも知ることができます。なかなか見応えのある展覧会でした。

歴史的なことは、あまり詳しくないのでこの辺に。
今回の旅で、改めて感じたことがあります。
日本の焼き物の里って、本当に楽しい。種類も豊富だし、安いのは安いなりに、
高いのは手が出ないけど見ているだけでうれしい。
同時に思ったのは、韓国の焼き物の里、もっとがんばって!ということ。
韓国で、焼き物で有名な場所、全羅道の康津と京畿道の利川しか行ったことが
ないので、それだけでこういうこと言ってはいけないんですけど。
利川に初めて行ったのは、2004年末。このときは、珍しさもあって楽しかったの
ですが、2011年春訪れたときは、閑散としていてがっかり。
陶器市のようなときに行けばいいのでしょうけど。
でも、お祭り的なものが何もなくても、見て楽しくあるべき、と思っています。
おまけに、何か記念にと買った青磁のカップ、大事に扱っていたのにすぐひびが
入り、使えなくなってしまいました。とても高かったのに……
結局、器よりもおいしい韓定食を食べる所、という印象が強くなってしまいました。
利川は、米どころとしても有名ですから。

韓国に引っ越す前は、予想される楽しみとして、焼き物の里を訪れたり、いい器を
買うことがあったんですけど、引っ越し後すぐ利川でがっかりして、ソウルでも
あまりこれといった器に巡り合わなくて、「器は日本で買った方がいい」と早々に
諦めてしまいました。なので、完全帰国の荷物には、韓国で買った器、ほとんど
なかったです。

韓国の食堂でも、器はプラスチックか金属が多いんですよね。
自分が入った店で、器にこだわっていたのは、一部のカフェくらいでしょうか。
高級レストランに入れば、違うのかもしれませんけど。
でも、料理にはこだわっていても、器は安物というお店、私の印象では少なく
なかったです。そういったことも、韓国で器を愛でる気持ちが失せた理由かも
知れません。美しい器は博物館美術館で楽しむことにしました。

やはり、日本ほど職人さんが尊敬されないという文化と関係あるんでしょうか?
中国語圏でも、似たような感じなんですよね。
器に関しては、日本が一番こだわりあるような気がします。
決して高級なものじゃなくても、いいものを、料理にも場の雰囲気にも合ったものを
使うという……

写真は、伊万里にて。

2014年9月15日 橋を彩る伊万里焼
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

最新記事

右サイドメニュー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR