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海外留学のすすめ

2014年6月14日、日本経済新聞の夕刊1面の見出し。
「世界の留学生 400万人に」
ユネスコによると、他国の高等教育機関で学ぶ留学生は、過去12年で倍増。
中国、インド、ベトナムなどアジアの新興国出身者が急速に台頭しているとのこと。
2012年ユネスコ統計研究所の資料が出ていたので、一部を紹介します。
留学生の出身国についてです。
高校より上位の高等教育機関が対象で、1年未満の短期留学は含まれていません。

1位 中国       69.4万人
2位 インド      18.9
3位 韓国       12.3
4位 ドイツ      11.7
5位 サウジアラビア 6.2

以下、6位フランス(6.2)、7位米国(5.8)、8位マレーシア(5.5)、
9位ベトナム(5.3)、10位イラン(5.1)と続きます。 

日本は?というと、22位で、3.3万人。
海外留学する日本人が減った、とよく話題になりますが、確かに少ないですね。
日本の人口半分以下の韓国の方が、留学生はずっと多く、
しかも世界3位ですから、目立ちます。
高齢化比率、経済発展の度合、留学に関する国の政策など、人口以外にも
考慮すべき点はいろいろありますから、日本人の海外留学の少なさを、単純に
この数字だけから他国と比較することはできませんが、それにしても少ない。

個人的には、もっと若い人に海外に出てほしいと思います。
出ればいいってものでは、決してないんですけどね。
経済格差のある国で、日本よりずっと物価が安いからと、日本ではできなかった
贅沢三昧をし、ダラダラ過ごしてしまう場合もありますから。
それでもやっぱり、若いときに異文化にもまれるのは、いい経験になります。
ただ単に、外国語の勉強になる、というだけでなく、
日本の価値観=世界の価値観じゃあないんだ、ということに気づかされます。
どちらの価値観が正しいか正しくないか、は別にして、ものの見方が多角的に
なり、相手の立場に立つ習慣がもてるようになるのは、すごくいいことだと思う。

ソウルで過ごした3年間も、住むまではわからなかった韓国を知ることができ、
本当に貴重な体験になりました。 
ただ、韓国語学堂に通ったとはいえ、留学ではなかったので、今日は、80年代
半ばに中国(北京)留学したときのことを書きたいと思います。
留学で感じたことはたくさんあり、一度や二度では書ききれないので、今回は、
特に強く印象に残った3つを。

ひとつは、「外国」「海外」「国際」といった言葉からイメージする国についての
自分の考えが、くずれたことです。
日本にいたら、外国といえばアメリカやヨーロッパの国が浮かびます。
が、中国留学のとき、他国から来ていた留学生は、日本では接する機会のない
ような国の人ばかりでした。
クラスメートだけをみても、(当時の)ソ連、ネパール、モーリシャスなど。
東欧の人もいました。
クラスにはいなかったけど、学校には北朝鮮の学生もたくさんいたし、
アフリカの学生も、とても多かったです。
アフリカの学生の多くは、中国に技術を学びに来ていました。
語学は、最初に手段として学び、その後技術系の大学に進学するのです。
南アジアの学生も多かったです(インド以外)。
国際=西洋というのは、一部の見方なんだな、と感じました。

ひとつは、女性の地位。
中国では、学校の先生や友人宅に呼ばれました。
そのとき料理をするのが男性、ということが少なくありませんでした。
しかも、おいしい。
中国では、家事も育児も、できる方が、時間のある方がやるという合理的なやり方。
昭和30年代後半生まれの私の周囲には、「女の子は料理ができればいいんだ」
とか、「結婚したら、奥さんには働いてほしくない」
「勉強や仕事ができる女性はかわいくない」という男性が多かったので、
かなりの衝撃でしたね。
もし若いころ中国留学してなければ、「女は男の後ろでおとなしく」という考えに
ずっと苦しめられていたかもしれないので、そういうことを考えても、
貴重な体験だったと思います。
さすがに今の若い人は、私の若いころのような男女の役割観なんてあまりないと
思いますけどね。

そして、これも貴重な経験だったんですが、授業中意見を積極的に言うこと、です。
日本では、自分の意見があっても、積極的に言うのがはばかられる雰囲気のことが
少なくありません。
でも留学中は、とにかく意見を言った方がいいんだ、と、いつも活発な議論のあった
クラスの中にいて、思いました。
その方が、楽しいですしね。
韓国から帰国後、語学堂で知り合った日本の若い人と話す機会がありました。
留学後、帰国して会社勤めをするその人が、日本の会社で違和感を感じたのは、
会議の席で、みながしーんとして意見を言わないこと、だそうです。
その話を聞いて、私はとてもうれしかったですね。
「しーんとしている」ことに、じゃないですよ。
回りを気にしすぎて自分の考えを話せない、というのが、あまりいいことではない。
海外留学によって、それを感じたことに対してです。
同様に「違和感」を感じる人が増え、日本人ももっと積極的に、活発に意見を
言えるように変わっていけたら、と思います。

留学は、楽しいことばかりじゃなく、いやな思い、つらい思い、さみしい思いも
します。
でも、どんどん出て行って、いろんなことを経験してほしいです。
どんなに小さなことでも、今後の人生に大きな力を与えてくれるでしょうから。
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Comment

安定志向でしょうか 

同じような印象を感じることが多いです。
海外どころか、他府県には出たくないというような若者とも、よく出会います。
元気に枠を飛び出して、多様な価値観に触れて、世界の大きさを知ることだけでも、将来の自分への自信にもつながると思うんですけどね。
大人たちも、もう少し元気にならないといけないのかもですね^^

  • posted by 七星 
  • URL 
  • 2014.06/18 17:26分 
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Re: 安定志向でしょうか 

そうですよね、なんか元気がないですよね、老いも若きも。韓国では、一生ここを離れたくない、というような話を聞いたことがほとんどなかったので、本当に対照的だなあと思います。動かないのは、ネットが発達しすぎだからかな、とも考えたんですが、韓国は日本以上にネット社会ですし。
ずーっと同じところに留まるのって、ちょっとつまらなそうに見えてしまうけど、価値観の違いもあるんでしょうか。外の世界、面白いのに、残念です。
  • posted by はこ 
  • URL 
  • 2014.06/20 12:00分 
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違いに鷹揚になるって難しいですね 

サッカーワールドカップ関連のある記事で、ブラジル人サッカー選手が何故世界中で活躍できるのか?という話しを読みました。ブラジル人は基本的に日本人とは正反対。仕事の効率なんて全く考えず失敗から学習もしない。世の中不便な事だらけだけど、とにかく人生を陽気に楽しみ他人に対して鷹揚であると。それがどこへ行っても違いを受け容れて柔軟に対応できる素地なのだそうです。ちょっと極端ですが、なるほどなーとも思いました。勤勉な日本人は素晴らしいですが、若い人達には是非色んな意味で異文化とも触れあってもらいたいなと思います。
  • posted by うー 
  • URL 
  • 2014.06/24 22:49分 
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共感します! 

ブラジルの話、共感です!韓国語学堂に通っていたとき、プラジル、アルゼンチンなど南米出身の留学生がいました。ほとんどが同胞で、韓国系の人たちではあったんですが、気質的には南米。底抜けに明るくて、仲悪い学生たちもうまくまとめてくれて、彼らのおかげで、同じ級の人たちが盛り上がりました。アルゼンチンのクラスメートは、「日本や韓国のいじめ、信じられない。弱い人は、守るべきなのに」と言っていたのがとても印象に残っています。日本からは遠いけど、行ってなにかを感じてくる人が増えるといいですね。
  • posted by はこ 
  • URL 
  • 2014.06/25 11:48分 
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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