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普遍化する

毎土曜楽しみにしている、朝日新聞be。
先日(2014年5月17日)の「フロントランナー」に出ていた、
水族館プロデューサー・中村元さんの記事が、面白かったです。
その中で、特に印象深い部分がありました。

中村氏がリニューアルを手掛けた水族館は、入場者が劇的に増えており、
救世主のように思われていないか?
という質問についての答え。そのまま紹介します。

 むしろ逆に、お客さんを増やすことばかり考えている、経営主義だと批判
されるんです。そういう人たちは、お客さんが見なくても、教育的、学術的に
「すぐれた展示」をすることが有意義なのだと言います。しかし、僕に言わせ
れば、そんなものは「最悪の展示」にしかすぎない。
 水族館は大衆文化として定着して、スポーツでいえば野球やサッカーの
ような役割を果たさなくちゃいけないと思うんですが、そういう考え方も、
ハイカルチャー志向の人たちから嫌われる。まあ、そんな保守的な業界
だからこそ、僕のような異端者に仕事が回ってくるともいえるんですけどね。


思わずうなずいてしまいました。
これって、水族館の話に限らないんじゃないかと思います。
ちょっと無理な結びつけ方かもしれませんが、日本での朝鮮半島情報も、
似たようなところがあるのではないかと。

難しいことを難しく扱っているものが、少なくないように感じます。
(今回は、好きとか嫌いとか、感情的要素が濃いものはちょっと除外して
話を進めます)
一時帰国の折、なるべく書店の韓国関係のコーナーをチェックするようにしました。
文学、歴史、美術その他、おかたく難しいと思われる分野の本。
本当に、難しいままのものが多い。高いし。
韓国の時代劇の普及で、時代劇をわかりやすく見るための歴史関係の本も出て
いるので、そういう点ではすごくよくなったなあ、とは思うのですが。
これは、中村氏が指摘している、ハイカルチャー志向の人たちの考え方が、
韓国関係の学術的な分野でもまだ色濃いからかなあ、と思います。
自分が今まで会った専門家の人たちも、学術的なものを一般化、普遍化、
大衆化させよう、と努力している人が、残念ながらあまりいないかも……
「通」の人しか入ることが許されない世界、「通」だけが持つ特権。
だから、ひとたび日韓で何か問題が起きると、日本の「通」でない普通の人たちが、
韓国をただただ恐ろしい国、と思っちゃうんじゃないかなあ。
それに加え、最近は恐ろしい事故の頻発する国、というイメージも
着いてしまいましたから。

私がソウルに住んでいた三年間、日韓関係は政治外交的には、
ずっと悪いままでした。
それでも、韓国の人は、ハルキの小説に自分がどう影響を受けたとか、
日本の小説が人生にどう関わっているか、よく話してくれたんですよね。
日本語もわからない、日本通でもない人が、です。
逆パターンって、あるんでしょうか!?
逆パターンが普通に存在するようになれば、政治外交の波に、
一般人は左右されにくくなるのでは?
私のように、欧米情報には詳しくない人でも、子どものころから、
欧米の小説を読んで、影響を受けている。
それと同じような状況が、韓国通でない日本人にもあったらいいな、と思います。
真の日韓関係改善には、一般人の認識の変化が重要。
それには、学術的な分野が普遍化されることが、大きなカギを握っているでしょう。
私の好きな中国の四字成語に、「深入浅出」という言葉があります。
内容は奥深いが、表現はわかりやすい、という意味。
韓国について語るとき、この言葉を常に忘れないようにしたいです。
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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