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澗松全鎣弼(カンソンジョンヒョンピル)の伝記

韓国生活三年間の目標のひとつ、というか、これひとつしかないですが、
韓国の本を10冊読むことでした。
2月末、なんとか達成しました!

日常的に読んでいる人からみたら、なんてことないんでしょうが、
私にとっては大きな目標でした。
小説、エッセイ、ドキュメンタリー、食の歴史など。
どれも面白かったです。
朴婉緒のエッセイ、金薫の小説など、すでにブログで紹介した本もあります。
読んだ本のほとんどは、先日船便で送ってしまったので、まだ紹介してない本について
書くのは、今むずかしいですが、特に印象深く、手元に置いてある一冊について、
ちょっと書きたいと思います。

それは、昨日のブログ記事でも紹介した澗松美術館、その美術館をつくった
澗松全鎣弼(カンソンジョンヒョンピル)の伝記・『간송 전형필』
이충렬(イチュンニョル)著

です。
写真は2冊ともイチュンニョル氏の著作で、左側が澗松の伝記です。

2014年2月撮影 イチュンニョル氏著作

ハンギョレに本の紹介と著者のインタビュー記事が出ていたのを見て、
永豊文庫で見つけて買いました。
朝鮮時代の画家の名前も多く出てくるし、美術史関連の専門用語も結構あるので、
読むのむずかしいかな……と思い、長いことパラパラめくってながめているだけ
でしたが、どうしても澗松のことが知りたくて、がんばって最後まで読みました。
思っていたより、読みやすかったです。
絵画や陶磁器などの写真も多いし、画家や時代背景についての説明もあり、
素人でも読めるように工夫されています。

主な時代背景は植民地時代ですから、日本人の私にとっては、
読んでいてつらい部分もありました。
でも、読み進めていくうち、日本人とか韓国人とか、関係なくなっちゃいました。
「澗松がんばれ!」なんて何度も思いながら読んじゃいました。
国の宝を守るために一生を捧げたこと、その熱意や想いが伝わってきます。
大金持ちの家に生まれた人ですが、ただのコレクターではなく、
収集品から朝鮮半島の歴史がわかるよう、とても深く熱心に勉強し、
それを実践したことも、本からよくわかりました。
一歩間違えたら命が危ないかも、という時代に、大変な勇気だなあと、
何度か涙が出そうに。

感動したのは、澗松本人に対してだけではありません。
彼を応援していた周囲の人たち。
その人たちなくして、澗松美術館はできなかったでしょう。
そして、韓国人だけではなく、澗松を応援していた日本人がいたことも、
この本を読んで初めて知りました。
私は専門家ではありませんが、こういう人たちへも関心を持ったので、
素人ではあるけれど、できる限りのことを帰国後も調べてみたいと思います。

*今まで、全鎣弼の「鎣」の字を、「瑩」と書いていました。
 すみません。伝記には「鎣」となっており、気になって調べてみたら、
 この字でした。昨年、最初に記事を書くとき見た資料が間違っていたのかも
 しれません。過去の記事の字も、今日訂正しました。
 人名漢字は、むずかしいですね。
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Comment

ぜひ、読んでみたいです。 

素敵なご本、紹介してくださってありがとうございます。
私は、しばらくは無理なのですが、でも、必ず読ませていただきます。

先日友人から本をプレゼントされました。
その人は、故郷を離れて10年。その間に父親がなくなっていたことを、つい最近しり、そのことを私に話してくれながら、涙を流しました。意地を張らずに、会いに行けばよかったと。私も一緒に泣いてしまいました。
生まれた場所や母語は違いますが、同じ空間、同じ時間を過ごしながら、その人の思いの波動が伝わってきて、一緒に涙を流してしまった。人間の気持ちって、母語の違いとか関係なく、同じなんだなってつくづく思いました。
 翌日、その人から、本を貰いました。日本でも翻訳されている本ですが、文字が違うと、心に伝わる思いも違うのだろうかと考えたりもします。
 ああ、私も早く本が読みたいです!
  • posted by riesyuwa 
  • URL 
  • 2014.03/29 00:52分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: ぜひ、読んでみたいです。 

ありがとうございます。本当に、人の思いは、母語が違っても共通しますよね。
韓国に暮らし、それを実感しました。お互い、そんな気持ちを大切にしていきたいですね。
伝記は難しいかな?と思っていましたが、小説を読むよりも読みやすかったです。
読後感など、いろいろ交換したいですね。
  • posted by はこ 
  • URL 
  • 2014.03/29 18:31分 
  • [Edit]
  • [Res]

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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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