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科挙と平等社会

ソウル大名誉教授が、科挙に関する本を出版。
2014年1月23日の朝鮮日報、同24日の東亜日報で紹介されました。
写真は、朝鮮日報の記事の一部です。

2014年1月23日 朝鮮日報 科挙

1392~1894年の間に選ばれた文科及第者14,615人を調査。
「朝鮮王朝が500年以上続いたのも、官僚が世襲でなく、
身分が高くない者も、能力があれば試験によって登用されるチャンスがあった、
ということと関係があるのでは」と著者。
平民等身分の高くない及第者の比率は、
高いときは50%を超えるまでになることもあったそうです。

また、文科及第者の多い地域は、及第者の出身地の記録が残る英祖以降で見ると、
最も多いソウルの次は、平安道。
今の北朝鮮ですよね。
私は、慶尚道かなあ、と思っていたので、意外でした。
これは韓国の人にとっても意外だったようで、平安道に合格者が多い理由に
ついての著者の見方を、記事でもいくつか紹介していました。
中国から近いことも理由のひとつに挙げられていました。
が、詳細は、私自身がもっと深く勉強しないと書けないなあ、
転載するだけではちょっとなあ、と思ったので、これくらいにとどめておきます。
いずれにしても、いろいろ調べてみたら面白いことがわかるのでは、と思います。

私が気になったのは、科挙が身分の高くない人を救う、
より平等な能力重視の社会実現のために役に立ったのでは、という点です。
両班(ヤンバン)が幅をきかせていたように見える、
不平等な朝鮮王朝のイメージ。
もっと別な側面から見ることも必要、というのはわかります。
が、私個人的には、今の中国や韓国の異常なまでの学歴社会、受験戦争という
負の面は、科挙のせいじゃないか、と思うことがあります。
韓国では、子どもをいい学校に行かせるため、何度でも引越ししますもんね。
こちらに住んでいて、非常に驚いたことのひとつです。
うちのマンションでもしょっちゅう引越しがあるし、実際私の韓国人の知人も、
子どもの学校のため引越ししています。

また、科挙の影響は、職業観にもあらわれていると思う。
人による、というのが前提での話ではありますが、
中韓の人と話していて気になるのは、
「座ってする仕事」に就けるかどうかにとてもこだわること。
「肉体労働」「単純労働」=下等な仕事、というイメージなんでしょうか?
日本に居住する中国人や韓国人から、
「最初は言葉ができなくて仕方なく単純作業をしたけど、
やっと抜け出て(事務や学校の講師など)知的な仕事に就けた」
という成功物語?を何度か聞きました。

もちろん日本でも、そういうイメージはあると思います。
ただ、私が日本と中韓で違うなあ、と思うのは、職人さんとか、料理人とか、
「手に職」の人への見方です。
日本だと、大企業のサラリーマンより、職人さんの方がカッコいい、と思われたり、
たとえ一流大卒でなくても、普通の人が持ってない技術を持つ人を
尊敬しますよねえ。
食堂にしても、江戸時代から代々続く老舗のお蕎麦屋さんって、
カッコいいじゃないですか。
後を継ぐ人に対しても、すごいなあ、という。
でも、韓国や中国でそういう話をしても、
「え?それが何?なんでずっと食堂?」と思われちゃう。
それどころか、韓国の食堂でよく聞くのは、食堂の女社長の、
「息子はアメリカに留学させ、弁護士にした」とかいう成功物語です。
日本だったら、後を継ぐ方が粋だな、と思う一定数の人がいると思うんですけどね。
こういった傾向は、ちょっと乱暴な結びつけ方かもしれませんけど、
科挙の名残なのかな……
私は生まれ変わったら工芸品の職人になりたいと思っているので、
大企業に勤めるエリートとか、私から見たらあまり面白くなさそうな職業を
よしとする文化は、どうしてもなじめません。
おそらく、何年住んでも違和感を感じ続けるでしょうね(^_^;)

ーおまけー
개천에서 용 난다
(ケチョネソ ヨン ナンダ)
直訳すると「どぶから龍が出る」ですが、日本語のどんなことわざだと
思いますか?
語学堂の教科書の慣用句のページで、必ず習う表現なんですが、日本語の
「鳶が鷹を生む」です。
今回紹介した記事にも、この表現が出ていました。
でもねえ……今まで切り抜いた韓国紙の記事をチェックしていると、
「両極化」「不平等社会」「富裕層と貧困層」といった言葉が
たくさん載っているんですよね。
なんか矛盾してるよなあ。




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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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