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市場のエネルギー

海外で暮らした経験のある人は、異国で日本の何がなつかしくなるでしょう?
居酒屋?デパ地下?スーパー?
……なんか、食べ物関係ばっかり浮かんでしまいますが(^_^;)

外国暮らしの韓国人にとってはどうでしょうか?
それについて、とても印象深い話が、
朴婉緒(パク ワンソ)(1931~2011)の遺稿散文集
『세상에 예쁜 것』(セーサンエ イェップンゴッ)(「この世で美しいもの」の意)
に出ていました。

遺稿集の中の、「私にとって母国とは」。
その中で、カナダに移民したある知人のことを紹介しています。
政治学博士で大学教授だった彼は、軍事政権下、ある発言が原因で、
追われるように韓国を出て行きました。
兄のいるアメリカに行き、その後カナダに移住。
一時帰国のたびに、著者に話すのは、カナダへの賞賛と、母国・韓国への不満。
毎回毎回同じ話にうんざりした著者が、
「じゃあなぜ毎年毎年韓国に帰ってくるの?」
と尋ねると、彼は、
「エネルギー充電のため」と。
そしてその充電の場は、在来市場なんです。
南大門、東大門……
政局がどんなに不安定でも、全く関係ないかのように、
明るく活気ある在来市場。
エネルギー溢れる市場の人波にもまれていると、自然と力が湧いてくるのだ、と。
そしてそれが、きれいで整然とした、だけど何か物足りない街並みの
異国での生活を、元気に送らせてくれる原動力になるんですね。
韓国の市場が好きで、市場めぐりを楽しみにしている日本人も
少なくないと思いますが、どこか共感できる話ではないでしょうか。

2013年大晦日 南大門市場1

もうひとつ、「母国とは」に出ていた面白い話を。
著者の娘の友人の話です。
ドイツ人と結婚し、スイスに居住。
誰もがうらやむ、絵のような美しい風景の中に暮らす彼女。
その彼女には、年に一回韓国に帰国したときの大きな楽しみがあります。
それは、スンドゥブチゲ。
しかも、うんと辛~いものを、白人の夫と一緒に、
お気に入りの店に食べに行くのです。
そして、その辛~いスンドゥブチゲを、
「もう一杯食べなさいよ」と、夫に強要!?
その理由が面白い。
「私なんか、スイスのあのまずい食事に一年中耐えてるっていうのに、
あなた、年にたった一回の辛いものもダメなの?」
白人の夫はぐうの音も出ず、汗びっしょりになりながら、フーフーいって
スンドゥブチゲを平らげます。
異国の結婚生活でたまったストレスを、辛いものを食べ、汗と一緒に流し、
すっきり。
そしてまた元気に、異国で過ごすことができるのだそうです。
この話を読んで、なぜか私もすっきり爽快な気分になりました(^◇^)

そういえば、自分も異国で暮らす人なんですよね。
市場やスンドゥブ、自分にとってはなんだろうな?と考えてみました。
元気の素になるのは……
野球場!しかも甲子園球場!
韓国にも野球場ありますけどね。
日本のじゃないと、私は元気が出ないんですよ。
甲子園球場、といっても、カープファンの私、タイガースの試合じゃなく、
高校野球です!
特に、アルプススタンド、大好きです。
一時帰国の際、かなり日程的に無理して、一度だけ甲子園に行きました。
そのときは、気軽に入れる外野席でしたけど、外野席もまた、いいんですよね。
今の自分、どこかエネルギー不足って感じなんですけど、
もしかしたら、野球観戦ができなかったからかなあ、と思います。
帰国後の大きな楽しみですね^^

写真は2枚とも、南大門市場にて。

2013年大晦日 南大門市場2

朴婉緒の遺稿散文集については、2013年6月19日のブログ記事
朴婉緒(パク ワンソ)遺稿散文集「世の中の美しいこと」
(セサンエイェップンゴッ)
で紹介しています。(カテゴリー 本 映画)
ぜひのぞいてみてくださいね。



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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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