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金薫(キム・フン)著『南漢山城』&歴史小説を原書で読む方法

最近、김훈(金薫 キム・フン)著『남한산성』(南漢山城)を読みました。

2013年10月29日 金薫小説

右側の本は、同じく金薫の書いた作品で、日本でも『孤将』というタイトルで
出版されています(蓮池薫訳)。

この小説を読んだきっかけは、韓国人に強く薦められたことです。
最初は、「ぜひ南漢山城を紹介したい。一緒に行きましょう」と誘われたのですが、
行く前に『南漢山城』を読んでください、と言われ……
韓国の本は、エッセイや短編小説は読んだことがあるのですが、
長編はなかなかトライできず、一冊も読んだことがありませんでした。
今回、南漢山城行きたさ?に読み始めたのですが、400ページ近い歴史小説を、
約2週間で何とか最後まで読みました。
今まで読んだ韓国の本は、ほとんどが女性作家の作品で、男性作家の小説は初めて。
初めて読んだ長編小説ということでも、自分にとって記念の本になりました。

実は、知人におしえてもらうまで、私は南漢山城の存在すら知りませんでした。
以下、ウィキペディアに書いてあったことをもとに、小説の背景となった
南漢山城での歴史的な出来事などについて、紹介したいと思います。


南漢山城は、京畿道広州市、河南市、城南市に広がる南漢山にある山城です。
丙子胡乱(1636-1637)の際、仁祖(在位1623-1649)が入城して清と対抗した
場所であり、小説はこの事件を元に書かれています。
丙子胡乱とはーー

1636年、後金のホンタイジは皇帝に即位し、国号を清と改め、朝鮮に対し臣従するよう要求。しかし仁祖は拒絶。
清は朝鮮に謝罪しなければ攻撃すると脅かしたが、朝鮮は黙殺。これに激怒したホンタイジは、朝鮮侵攻を決意。
仁祖は、江華島に逃れて抗戦する予定だったが、清軍の進撃速度があまりにも速くて間に合わず、
将兵と共に南漢山城に。ところが城を包囲され、40日余りの籠城の末降伏、和議が結ばれた。
(三田渡の盟約)
1637年1月30日、仁祖は漢江南岸の三田渡にある清軍陣営に出向き、清への降伏の礼を行わされた。


降伏の礼は、受降壇の最上段に座るホンタイジに向かって、
最下段から仁祖が臣下の礼を行い許しを乞うという、大変屈辱的なものでした。


正直、とても簡単には読めず、理解度は多分50~60%くらいだったと思います。
歴史小説だし、難しい言葉が多くて(;;)
薦めてくれた韓国人は、「簡単だからすぐ読めますよ」と言っていたけど。
それでも最後まで読めたのは、やはり面白かったからです。
読ませてしまう作家の筆の力、というものを感じました。
読んで何よりも強く感じたのは、朝鮮半島の中国との関係です。
韓国の時代劇を見ていても感じていたのですが、「中国が攻めてくる」とか、
中国の顔色を窺ったりって、本当に多いですよね。
大国に挟まれた場所に国が位置することの大変さーー
民族大移動はできても、国の位置自体を動かすことはできないですからね。
韓国に住んでいても思うのですが、この国の地理的位置というのは、
いろんな意味で、本当に大きいんだなあと。
島国の日本にずっと住み続けていると、
この感覚というのはちょっと理解しづらいですね。
最近、韓国が日本を邪険にして中国とばかり仲がいいことをあれこれ言う日本人が
いるけど、これはこの国が生き残る手段として、たとえ気が進まなくてもしなければ
ならないことなのでは、と思います。
でないと国がつぶれちゃう、という恐ろしさが、歴史的に刷り込まれている。
日本人も、この国の位置という事情を考慮して朝鮮半島を見るようになったら、
少しはよい方向にいくのでは、と思うんですけどねえ。


ところで、タイトルに書いた「歴史小説を原書で読む方法」ですが……
背景になる出来事や人物、舞台について、日本語で検索し頭に入れた上で読むと、
私のように理解度が高くなくても、何とか最後まで読めます。
中国語の原書を読んでいたときの自分なりの目安は、「あらすじが追えるかどうか」。
あらすじが大体わかれば、詳細はわからなくても気にせず読み進めればいいです。
完璧主義の人には向かない読み方ですが、読まないと読めるようにならないので。
逆に、読み続ければ読めるようになるので。
訳本があれば、日本語訳を読んだ上で原書を読めばいいんですが、
韓国の本は、日本語訳があまりないし。
それに、もし原文がわかるなら、できるだけ原文で読んだ方が楽しいです。
韓国語は自分の専門ではないけれど、韓国の本を読むようになり、
いい文章に出会ってから、韓国語を味わうことの楽しさを覚えました。
ぜひ、より多くの日本人に韓国の本を読んでもらいたいです。
あ、韓国の時代劇も、最初に日本語で時代背景とか下調べすれば、
字幕なしでも何とか楽しめますよ。
こちらは、聴解力向上につながりますね。


肝心の南漢山城行ですが、本を薦めてくれた人は超多忙で、
もう言ったことを忘れているかも……(>_<)
でも、「三田渡の盟約」が結ばれた所は、
調べたらロッテワールドのすぐ近くのようなので、行ってみようと思います。
碑があるようです。



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Comment

 

日中韓とも平和な時代もありました。韓国にパンダがくれば、パンダ文化圏をつくれるのに。🐼
  • posted by ぱんだパパもん 
  • URL 
  • 2013.11/17 16:20分 
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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