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ごはんの力

韓国生活も、二年半が過ぎました。
最初のころは喜んで食べていた韓国料理も、さすがに飽きてきて……
和食中心の生活がなつかしい今日この頃です。

それでも、食の面でそんなにつらさを感じずに暮らせるのは、韓国のお米のおかげ。
米が主食の国は日韓だけではないし、小麦が主食の国でも、お米は手に入ります。
が、自分の口に合うお米が、苦労せず入手しやすいというのは、本当に助かります。
白米だけでなく、玄米、黒米なども豊富ですし。
「韓国より日本のお米の方がずっとおいしい」という声を、時々留学生から聞きますが、
おそらく、ごはんのまずい食堂は、安い外国産米や古い米を使っているからでしょう。
私もたまに、おかずはまあまあだけど、ごはんがめちゃくちゃまずい食堂に入って
しまうことがあります。
日本でもそうですが、おいしいごはんを食べる楽しみは、家で炊くときですね。

特に好んで買うのは、江原道・鉄原(철원 チョロン)のお米です。
鉄原は、朝鮮戦争の激戦地。
以前は行くのが不便だったようですが、今は鉄道で、DMZ近くまで行けます。
写真は、先月鉄原に行ったときのものです。

2013年9月21日 江原道鉄原


ごはんと言えば、韓国の代表的作家・朴婉緒(박완서 パク ワンソ)の遺稿散文集
『세상에 예쁜 것』(セサンエイェップンゴッ)に、印象深い記述があります。

십시일반(十匙一飯 シプシイルバン)」という言葉は、米文化だからこその言葉だ。
ごはんほど伸縮性のある主食はない。
よそい方によって、10人分のごはんを11人分にすることもできる。
2人分を3人分に増やすこともできる。
5人分のごはんを炊くお米でお粥を炊けば、15人分にすることもでき、
15人分のお粥に水を足せば、20人分のお粥にもなる。
パンは、そうはいかない。
これが、米文化とパン文化の違いだろう。
植民地時代、朝鮮戦争……食糧難のときも、何とか飢え死にせず生き残れたのは、
小さな共同体で助け合った、米文化のおかげだと思う。

と、ざっとこんな内容だったんですが、思わずうなずいてしまいました。
考えたら当たり前のことですが、当たり前すぎて意識することすらありませんでした。
当たり前だけど凡人は気づかない、だけどよく考えたらとても大事なことーー
それが書ける作家の筆の力って、すごいですね。

「十匙一飯」は、十人がご飯を一匙ずつ出せば、一人分のご飯の量になることから、
多くの人が力を合わせれば、一人の人を救うのも容易だ、ということを表します。
少しずつお金を出し合って何かするときなどにも、使われます。
2013年5月24日ブログ記事「韓国語 面白い表現 十匙で一人分のご飯」でも
紹介しています。
http://yokorea.blog.fc2.com/blog-entry-50.html
朴婉緒の遺稿散文集についても、2013年6月19日のブログ記事(カテゴリ 本)で
書きました。
http://yokorea.blog.fc2.com/blog-entry-66.html
よかったらご覧ください^^



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十笹一食。十本の笹でもぱんだ一食分にしかならない。ぱんだは、食いしん坊という意味の格言です。🐼
  • posted by ぱんだパパもん 
  • URL 
  • 2013.10/06 16:54分 
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プロフィール

はこ

Author:はこ
2011年3月~2014年3月の3年間韓国で生活。韓国滞在中の2013年2月に「もっともっと韓国」開始、完全帰国後も大阪からしばらくの間韓国情報を中心に発信してきました。が、帰国後日本、中国語文化圏の情報が増えたこともあり、タイトルを「もっともっとアジア」にしました。より多様な内容で進めていきますので、今後ともよろしくお願いします!
拙著『不思議がいっぱい韓国』もよろしくお願いします!

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